サッカーなどではドリブルが上手いかどうかはかなり重要で、それいかんで選手の能力がある程度評価されがちです。
では、どうすれば速く上達できるのでしょうか?
プロサッカーコーチの三木利章氏の「サッカー ドリブル上達」(成美堂出版)によれば、「自分の思い通りにカラダが動かない」とか「運動経験不足」が要因でドリブルが上達しない場合があるので、それらを改善してあらゆる動きに対応できる能力を養う為に、「動き創り」をベースにしたトレーニングをする事が重要です。
引用元 写真引用元 「サッカー ドリブル上達」(成美堂出版)
更に三木利章氏は、サッカーだけでなく複数のスポーツを経験する事を強く勧めています。
海外のプロサッカー選手のトレーニングには、サッカー以外の体操や運動を必ず取り入れています。
欧米では複数のスポーツを掛け持ちさせてから、最終的に行なう競技スポーツを選ぶようですが、実際に本田田圭佑選手や中村俊輔選手も小さい頃に水泳をやっていたのだそうです。
それについては体幹トレーニング専門の石井秀人コーチも同じ事を言っています。
(以下引用)
クロススポーツとは・・・ 複数のスポーツ競技に取り組むことです。
様々なスポーツ競技をクロスして取り組むことで、全体的な能力アップが期待でき、専門競技の成長スピードが加速します!
「クロススポーツ」耳慣れない言葉ですよね。
それもそのはずです。
日本ではまだまだ浸透していないのです。
それには深い理由があります。
クロススポーツは、アメリカやヨーロッパでは一般的です。
中学生や高校生までは複数の競技をかけもちして行い、後に1種目に絞ってトップアスリートを目指すという考え方です。
バスケットボールの神様、マイケルジョーダン選手がメジャーリーグに挑戦したのはとても有名な話です。
アメリカやヨーロッパでは一般的なのです。
それとは対照的に、日本でこの考え方が広まらないには理由があります。
まず、地域スポーツ環境が整っていないことがあげられます。
日常的に行動できる範囲内でスポーツ施設が少ないこと。
そして何よりも、複数の競技に取り組むためには、時間も費用もかかるということです。
共働き家庭が増えているこの時代。
子どもの習い事を増やすことへのハードルは確実に上がっています。
そこで、クロススポーツに取り組むことへのデメリットをなくし、1人でも多くの子どもたちに1種目でも多くの体験をして欲しい。
そんな想いから、専門競技の異なる10名のコーチがこのアカデミーを立ち上げました。
私たちは、クロスの数だけ強くなることを身をもって経験しているからです。 体幹トレーニング専門の石井コーチはこう話します。
僕はスウェーデンへ留学した際に、衝撃を受けました。
日本との環境の違いに驚きました。
小学生〜高校生までの子どもたちは皆、 1週間の中で何種目もの競技に取り組んでいるのです。
学校が終わると 月曜日はサッカーをしにグラウンドへ集合 火曜日は体育館でバスケットボール 水曜日はスケート場でアイスホッケー 木曜日はプールへと向かいスイミング 金曜日・・・・ このように毎日違うスポーツに取り組んでいました。
そして、地域の大人が一体となって子どもたちを指導する環境が整っていました。
この留学期間で見たスウェーデンの子どもたち。
年齢が低いうちは勝敗にこだわらず、のびのびと沢山のスポーツを楽しむ。
その中で自分に適した競技を探していき、最終的には1種目に絞っていく。
日本ではまだまだ追いつかないのです。
クロススポーツが超ゴールデンエイジ期どれだけ大切なものなのか、この無料期間に1人でも多くの子どもに感じて欲しいと思っています。
(以上、引用終わり。引用元:KIDSクロスポアカデミー事務局)
クロススポーツはマルチスポーツとほぼ同義と思われます。
他にもこちらで例を挙げておきます。
北京冬季五輪モーグル銅メダル世界選手権W杯優勝堀島行真(スノーボード、飛び込み、パルクール、体操、フィギュアスケートを練習に取り入れる)、フリースタイルスキー国内優勝多数角皆優人(水泳選手)、プロレスラーの棚橋弘至(高校で野球部、県大会ベスト4?)、プロレスラーのジャイアント馬場(プロ野球巨人投手)、プロ野球の桑田真澄(武術を習った)、ボクシング某チャンピオン(剣道をしていた)、プロゴルファーの倉本(スキーインストラクター)、プロゴルファーの石川遼(クロスカントリースキーでトレーニング)、プロゴルファーの尾崎将司(野球部)、西武ライオンズ内野手山川穂高(中学でバレーボール部)、プロ野球元スワローズY松勉(クロスカントリースキーをした)、スキーモーグル全日本優勝の芳沢秀雄(大学でサッカー部)、プロスノーボーダーの石川敦士(高校でサッカー部)、SAJスノーボードデモンストレーター多数回認定の平間和徳(SAJスキー準?指導員、SUPスタンドアップパドルボードインストラクター)、ウエイトリフティングの八木かなえ(機械体操選手をしていた)、スキー元SAJデモ桶田(バレーボールをしていた)、フリークライミング五輪代表の楢崎智亜(器械体操をしていた)、スノーボード技術選上位の井出直也(スキージャンプをしていた)、エアリアル五輪出場の田原直哉(器械体操五輪候補者)、プロゴルファーの吉田高律(スキー全日本選手権DHとGSLで優勝)、 プロゴルファーの芹澤信雄(高校時代にスキーで国体出場)、スノーボードパラレルGSL五輪金メダルのエステル・レデツカ(スキーSGでも金メダル)、芸能人の神田正輝(スキーはプロ級でテニスやゴルフも得意)、スピードスケート五輪銅メダルの橋本聖子(自転車でも五輪出場)、スキーモーグル五輪銅メダルの原大智(競輪と二足のわらじ)、スノーボードハーフパイプ五輪金銀メダリスト平野歩夢(スケートボードでも五輪出場)、プロボクサー元WBC世界フライ級王者の内藤大助(中学で卓球部、高校でハンドボール部)、甲子園優勝大阪桐蔭高校ドラフト1位中日の根尾昂(中2で全中スキー大会スラロームで優勝)、全日本MTBクロスカントリー4連覇の北林力(全中スキー大回転優勝、回転準優勝、インターハイ大回転8位)、若乃花(アメフトに挑戦)、ハンマー投げ金メダリスト室伏広治(ウチワ投げ、投網(とあみ)を取り入れた)、カヌー・スラローム女子カヤックシングルの矢沢亜紀(トレーニングにクロスカントリースキーを取り入れる)、全国高校スキー女子回転3連覇の渡辺愛蓮(ダンスやバレーボールなどさまざまな運動を練習メニューに加えた)、バレーボール女子でオリンピック3度出場の荒木絵里香(幼少期に水泳と陸上に通う)、女子モーグル五輪出場星野純子(体操選手)、長嶋一茂(空手に挑戦)、元阪神~大リーガー~日本ハムの新庄(モトクロスに挑戦)、 16年間サッカー選手 の本間涼(格闘技との二刀流)、プロアメフト選手栗原嵩(ボブスレー日本代表)、サッカーJ3AC長野パルセイロ監督シュタルフ悠紀リヒャルト(3歳からスキーを始め何度もジャイアントスラローム大会に出場)、全日本スキー技術選手権4連覇と全日本スキー技術選手権&国体両方で優勝の武田竜(サッカーもやった)、国体スキー大回転成年C準優勝の小林晋之介(スケートボード遊びした)、スキーWC女子GSL最多優勝ミカエラ・シフリン(ボートで引くサーフボードで横乗り系も練習) 、 スピードスケート五輪金メダル小平奈緒(水泳、ピアノ、サッカー、一輪車、テニスもやった) 、スノーボード2023WCビッグエアー優勝の長谷川帝勝(たいが)(サッカーもやった)、SAJ元ナショナルデモンストレーターのSAJデモンストレーター斉藤人之(小学生時代は野球と剣道を中学高校で剣道に取り組んだ)、プロレスラーの田村駿人(2本塁打で優勝に貢献した甲子園球児)、ヌートバー(野球だけでなくアメフトでもプロに行けたレベル)、SAJナショナルデモンストレーター齊藤泰英(高校ではラグビー)、トリノ五輪スノーボーダー成田童夢(元々モーグルをやっていた)、サッカー中西哲生(子供の頃野球が好きでやっていた)、サッカー田中隼磨(はゆま)(小学生の時は野球選手を目指し、中学校では陸上部員)、 W杯優勝世界選手権2位冬季五輪スノーボーダー山岡聡子(中学校と高校で卓球部)、NBAバスケットボール選手八村塁(小学生時代は野球と陸上)、(敬称略)
日本スポーツ協会(旧日本体育協会)2024年夏の第7回ジュニアスポーツフォーラムA分科会でも「マルチスポーツの効果は非常にあると判断します。」などとまとめられました。
ついでに上記の中から全国高校スキー女子回転2連覇の渡辺愛蓮選手について、2021年2月10日(水)信濃毎日新聞を以下に引用します。
今季からダンスやバレーボールなどさまざまな運動を練習メニューに加えたことで、「以前より思うように体を動かせるようになった」。その成果もあり、終盤の緩斜面でバランスを崩し、旗門をまたぎそうになったミスも「早く(体勢を)持ち直して」カバーした。(引用終わり)
(その後 2022年 に3連覇 し2冠も獲得しました。)
もう1つ、星野純子選手の動画も載せてみます。
結局、サッカーだけを練習すれば上手くなるのではなく、色々な競技や遊びを取り入れる事がサッカー上達の近道であるという訳です。
スキーとサッカーも相性が良さそうです。
サッカーの軸足とスキーの外足とは類似点があります。
スキー場が近くにある場合は、サッカーの練習のない時間に何日か連続してかよって練習するとか、完全なオフの日にレジャーを兼ねて滑りに行くなどすれば良いトレーニングになるに違いありません。
ただし、プロサッカー選手の場合は骨折等によってメンバー落ちする選手が出ると戦力低下や本人の減収になったりするリスクを考え、スキー・スノボをしない選択が取られるようです。
ちょっと話がそれますが筋肉に関しても類似した説があるようです。
https://note.com/shinshinohara/n/n5e1a8c0cc0f3
引用元 note 観察は遊びと学びの境界線を消す shinshinohara
初稿2020年2月9日 21:46