スキー場にあるスキー学校の講習を受けてみると受講生が大体2人以上いるような場合「トレーンで滑りましょう」と言われる事がたまにあります。
それは「~TRAIN-TRAIN走って池(ではなく「行け」)~」というのと同じで、要するに何人ものスキーヤー又はスノーボーダーなどが前の滑っている人のシュプールをなぞりながら列車のように後ろへつながって滑る事ですのでこの歌をBGMに使うと良さそうです。
又、このトレーンは見ず知らずの人の後を勝手につながって滑ってはいけません。
インストラクター の指示で行なうとか予め何人かが打ち合わせ済みで行なって下さい。
さて、トレーンの何が問題なのか?
それはトレーンで滑ってもちっとも練習にならないと言うか、上達にはつながらない気がするという点です。
まず、インストラクターのすぐ後ろに着いて滑る人はインストラクターの付けたシュプールと同じシュプールを付けようと「思う」事はできますが、板のズレ幅や雪への食い込みの深さまでを似せる事は至難の技ですし、自分のシュプールを自分ですぐに確認する事もほとんど無理です。
そもそもシュプールを見ただけで身体の動かし方までわかってしかもできてしまう位ならもう超人達人であり講習を受けなくてもいいレベルでしょう。
それと、インストラクターがターンのマキシマムの半円の弧を描いている時にその姿を目で見ながら受講生はターンのつなぎ目の直線的な斜滑降みたいなタイミングでの動きになっていたり、インストラクターと反対向きのターンになったりして、見てる事とやってる事が反対というか全くバラバラな訳です。
なのでインストラクターの姿の残像をイメージしながらターン弧を描こうと思っても、目の前には直線的な斜滑降みたいなタイミングのインストラクターが見えてしまったりして、しかも次々ともっとターンなどを繰り返しながら進んでしまうので頭の中がゴチャゴチャになり、結局シュプールをたどりながら流されるように滑るのがやっとなのです。
更には受講生の人数が多いと後ろの方になれば先頭のインストラクターのシュプールなどかき消されまくって全然わかりませんので、ただ何となく似たような滑走ラインで滑るしかありません。
しかも途中で転倒する受講生がいるとその後ろの受講生等も停止したりする羽目になり、前の受講生がどこをどう滑ったのかも追えなくなったりします。
トレーンは要するに「つながって滑って見べぇ、楽しいやろ?」というお遊びでしょう。
「流しそうめん滑り」という名称でもいい位です。
ただし、トレーンが絶大な称賛を得られる場面もあります。
松明(たいまつ)滑走です。
この場合は蛇のようにくねってつながった 松明(たいまつ) 又は発煙筒の炎が見せ物ですから。
しかし、スキーの上級レッスンでトレーンをさせるインストラクターがいまだにいるのにはちょっと驚きます。
で、私はトレーンではなくシンクロ滑走を推奨しています。
これはインストラクターが右へターンしそうになったら極力それと同調するように受講生も右へターンし 、その逆なら逆を、直滑降なら直滑降をという様にとにかく同じ事をシンクロでそのまま真似をする=コピーする練習です。
(ただしシンクロする為には 少し予測気味に動かないと駄目です。)
インストラクターが先に滑り去って下で待っているレッスンスタイルばかりですと動作の正確なタイミングなどがつかみにくいので、たまにでもいいのでシンクロ滑走を取り入れるべきなのです。
シンクロ滑走なら受講生の人数がある程度多くても、後ろに続く受講生の全員が先頭のインストラクターと同調して滑れば全員がほぼ同じ練習ができる訳です。
勿論ゲレンデが狭いとか先頭が見えなくなって動きを追えなくなるような状況や場所では無理はあり、 ポールをセットしたレーシングでもトレーンならできますが シンクロ滑走は普通は無理です。
( シンクロ滑走 ができるような特別なポールセットをすればある程度可能でしょうから、新たな?練習メソッドとして行なわれる可能性もなくありません。)
尚、シンクロ滑走の場合はレッスン中でなくてもゲレンデで上手い人を見つけたら勝手に少し離れてコピーしながら滑っても・・・
・・・大丈夫でしょう、多分。
(絡まれてもこちらでは一切責任を負いません。)