電線に留まっている鳥はなぜ落ちないのか?
しかも夜はその状態で睡眠を取れるのです。
あまり空を飛べないニワトリでさえ枝や棒に留まったままでいられたり睡眠を取れたりします。
睡眠の部分は別にして、この問いに対する答えとして以下のようなものがしばしば見受けられます。
なる程、そうだったのか。
・・・などとスンナリ納得したり感心したり目からウロコが落ちるような人は、もう少し考えた方が良いかも知れません。
確かに電線から落ちそうになったら飛べば済むし、翼をばたつかせたりして少し飛びそうな感じにして空気をあおれば元通りの安定した体勢に立ち直れるという点では、鳥は安心感を持っていると考えられます。
しかし、実際はそんなに翼をばたつかせずにただ単に電線の上にじっと留まったままでいる姿も見掛けます。
・・・という事は、翼を使わずそのままでも落ちないでいられる能力があるから落ちないのであって、いくら飛べるからと言ってもすぐ不安定になるようでは何度もひんぱんに翼をばたつかせる事を繰り返さなければならない訳です。
実際、よく見ると鳥はたたんだままの翼や体を電線の上で微妙に動かしていて、それはバランスを取ろうとしている動きの一環のように考えられます。
この話に関しては、人間がスラックラインの上でスケボーやサーフィンなどのような横乗り系のスタンスで何秒間落ちないでいられるかを試すとよくわかります。
地面からの高さを20cm程度に低くしておけば落ちる不安も少ないのですが、どんなに低くても、又、例えふわふわのマットを敷いてあったとしても、つまり安心感がいくらあってもバランスが取りにくいので初心者はすぐに落ちてしまいます。
いや、初心者どころかかなり練習しなければ30秒間落ちずにキープするのは至難の技です。
この動画の人はちょっと上手過ぎですが。
要するに、落ちても困らないという安心感だけではなく、バランス能力や落ちない能力を持っていないと不安定になったり落ちたりしてしまうのです。
尚、鳥の場合は翼を使える点やバランス能力に加えて足の指の力の入り方が前後からしっかり締まるような構造になっている事も、落ちにくい理由となっているようです。
電線の細さよりも鳥の足の指の方が長いので、掴んだ時は前後から指がダブって交差して電線を完全に巻いているような状態になるようにも見えます。