今回の大嘘つきスキー理論は以前に公然とスキーメーカーが流した理論とその製品で、ある程度の人数のスキーヤーはご存知のはずですが一応載せておきます。
今は消滅しているニシザワスキーのタクティクスと言うスキー板ですが、普通のスキー板とサイドカーブが逆と言うかブーツの位置の幅が広く、先端の方が徐々に細くなっています。
スキージャーナルかスキーグラフィックのようなスキー誌の広告にその理論的な有効性が掲載されるなどして、そのスキー板が市販されたはずです。
写真→ タクティクス : M’s Village (livedoor.jp) 引用元 M’s Village
写真→ 1982年製ニシザワ タクティクス。設計者はストリームスキー道場 酒造隆志。ツチノコスキー、乗ってみたい。 | Instagram
引用元 インスタグラム monk91
参照→ ニシザワスキーって独創的!?だったんですね♪ | mrrnのブログ (ameblo.jp) 引用元 mrrnのブログ スキー専用ブログに変更!
「普通のスキー板よりもターン始動期の雪面の捉えが早く、滑走ラインが短くなる」というようなスキー理論のはずでした。
しかし、普通に考えればターンの始動が遅くなるはずであり意味不明と言うしかなく、実際あまり売れなかったに違いありません。
実物に触れる機会があり1度試乗してみましたが、やはりまず不安定でした。
それよりも最も驚いた事は、圧雪された雪の上に新雪が2cm位あると、スキー板を揃えて閉脚で真っ直ぐ滑っている時に両スキーが先端から徐々に開いて逆ハの字になっていく事です!
2本のスキー板の間に新雪が左右両側から除雪されて集まって溜まってきて除雪抵抗が増えてくるので当然ではありますが、気分的には異常な感覚でした。
SIA( 公益社団法人日本プロスキー教師協会)のプロスキー指導者にもこのタクティクスについて質問した事がありますが、やはり肯定的ではありませんでした。
結局このスキー板は多分5年も経たずに販売されなくなったはずです。
因みにクロスカントリースキーも先端は細いので少し似ているかも知れませんが、その場合は足を片足ずつ交互に自力で進ませる事と、平行の溝をコースに掘ってあったり整備や整地などによって除雪抵抗を真ん中に受ける機会や量が少ないので問題ないのかも知れません。