突然ですが、背骨は体幹ではありません!
「そんな馬鹿な」「背骨は幹の部分にあるから体幹でしょ」「背骨こそ最も中心=コアのはず」「背骨が体軸のメインであり根幹を成す」
そう思い込んでいる人もいるかと思いますが、真実を述べますと中心の軸を囲んでいる筋肉などが体幹なのです。
たまに背骨を体幹に含める先生もいますが、厳密に言えば嘘と言えそうです。
詳しい説明はYSPC Mrtial Arts Academyの渡邉康人という先生が月刊秘伝の中で行なっています。
その一部を引用させて頂きます。
「法隆寺五重塔は、柱で支えていない」「箱の積み重ねだけで、柱のない耐震構造がある」「背骨は身体を支えるようにはできていません」「体軸はいらない」「プラモデルのように立てばいい」「竹のバネとやわらかさは、芯がないことにある」「中身のない筒構造はしなることで強いのです」「中心と中身で支えることは、動きに弱く耐久性がありません」
ちょっとこれだけではわかりづらいのでその書籍で確認して頂ければと思いますが、こちらなりに荒っぽくまとめると、体幹トレーニングは背骨ではなくそれを囲んでいる周囲をトレーニングするのです。
だから「体幹」ではなく「環」を使った「体環」の方が理にかなっているとも言えるかも知れません。
そして、逆に背骨をトレーニングする事は難しいでしょう。
椎間板ヘルニアにせよ膝関節痛にせよそれらの骨を囲んでいる肉や筋がしっかりしていれば悪化しにくいはずでもあります。
背骨に限らず骨は石のように体内に埋め込まれているだけであって、自ら伸び縮みしたり曲がったり動いたり移動したりする事はできません。
コントロールできるのは骨ではなくその周囲であるという事。
モーグル競技で冬季五輪やワールドカップなどで活躍した上村愛子選手も一般向け雪上レッスンの時に「自分が太いパイプの中に入っているようにイメージして滑るように」という主旨の教えを行なっていましたが、正に今回の話と一致しています。
不安定な状況でしっかりバランスを取るには、中心ではなく周囲のパイプを使うのです。
又、体幹又は体環というパイプを真っ直ぐにすると中にある背骨も真っ直ぐになり、パイプを別の形にすると別の結果になる訳です。
このピラティスの解説にも言及があります。
(蛇足ですが、骨には痛みや痒みなどを感知する機能はないので、骨と骨がこすれて痛むという表現は不正確と思われます。)