空中であればどんなに足腰を活用してもバランスの取りようがない気がします。
空を飛んでいるとかスカイダイビングで落下中なら風圧の受け方を足腰でも調整できそうですが、基本的に空中では足腰が地面に着いていないのでどうあがいても空振り状態でしょう。
なので空中演技の出来栄えを決定付ける要素はバランス能力ではない部分ではないかとも思えそうです。
ところが、スキージャンプの葛西紀明選手や山形県上山市トランポリンスポーツ少年団のような一部のトランポリン教室の練習メニューにはバランストレーニングに最適なスラックラインが入っています。
ジャンプもトランポリンもほとんど空中でのコントロールが問題なのに、どうしてそんな練習メニューをさせるのでしょうか?
それは、どんな空中演技も踏み切り1つで大成功か大失敗かが決まってしまうからでしょう。
最も重要な踏み切りを行なう瞬間こそが最もバランスを崩してはいけない場面なのです。
これはスキージャンプ、トランポリンだけでなく、高飛び込み、エアリアル、モーグル、ハーフパイプ、スロープスタイル、ビッグエアー、器械体操、走り幅跳びや走り高跳びなどの陸上競技、水泳、スケートなど踏み切る動作が必要なスポーツに共通する話と言えるはずです。
ただし、山形県上山市トランポリンスポーツ少年団に関しては「空中でのバランス感覚をつかむためスラックラインを練習に取り入れる」との事です。
つまり、足腰で支えるバランス能力を高める事によって足腰で支えない空中でのバランス感覚までもが向上するという話のようですが・・・。
引用元 Sport Japan 2020年1・2月号(vol.47) 日本スポーツ協会
そして、 2022年北京オリンピック冬季大会スキージャンプ競技で金銀メダリストとなった小林陵侑選手について 宮平秀治コーチは NHKテレビ2022年2月23日放送「スポーツヒューマン」の中で彼のバランスボールでのトレーニング映像と共に彼のバランス能力が非常に高い点を取り上げていました。
この事からもバランストレーニングの重要性が示されていると言えそうです。